2011年1月25日火曜日

就職氷河期だからこそ

2011年3月卒の学生の就職内定率が過去最低だというニュースを良く目にするので、それについてちょっと考えをまとめておきたいと思いました。長文になりますが、ご容赦下さい。


まず企業の目線から(学生の人にとってはこっちの目線は分からないかな?)

新卒とか既卒とかっていう大学生と採用関係者しか使わないカテゴリは本質的にはどうでもいいんです。

採用したい人の特徴
  • 即戦力でないのなら、低賃金で根気強くやり遂げて、仕事ができるようになっても辞めない人
  • 即戦力なら、その戦力に見合った賃金で仕事をしてくれる人
  • (やっぱり相性ってあるよね)社風に合いそうな人

採用したくない人の特徴
  • 即戦力でなく、根気もなく、賃金に文句が多く、ある程度教えてあげたところで辞めちゃいそうな人
  • 即戦力かも知れないが、過剰に賃金を要求する人
  • (やっぱり相性ってあるよね)社風に合わなそうな人

ちなみに、厳しいこというと(かなり脚色して乱暴に言っていますが)
 学生が戦力になるなんて一寸足りとも期待してない。
 ビジネスで使ってない英語はいくらネイティブとは言え、使えない。
 ITスキルも学生のお遊びとエンタープライズシステムでは大違い。
 簿記持っていようが、実際にやってなければただの資格。ペーパードライバーと一緒。
 統計を勉強していても、目的理解してくれないし、アウトプットの見た目がイマイチだし。
というような感じですよ。

よく学生の見た目採用を批判する人がいますが、「見た感じいい奴そう」っていう所以外に差が無いんですよ実際。


就職氷河期と言われていますが、企業にとっては必要な時に必要なだけ採用するのが正しいスタンスなので、むしろ学生が頑張ってアピールしてくれるから評価がし易くなるんでメリットが大きいんですね。

加えて、どの企業もとは言いませんが、かなり多数の企業が商品提供市場を日本に限らない戦略を取っているのも事実です。すると現地市場を押さえるためだったり、マルチナショナルカンパニー的な文化にしていくためだったり、いろんな理由で日本人以外を採り始めます。

そうなると、年功序列文化としての世代ピラミッドを維持するために大卒者を採用していた企業は日本の、もしくは日本人の大卒者に期待しなくなっていきます。



翻って、学生の目線で状態を語っても仕方ないので、学生がどうするべきかについて


まず、次の質問を自分に投げかけてみましょう
  1. 何のために就職(就社)したいのか?
  2. 今やりたいと思っていることは本当に人生を掛けてやりたいことなのか?
  3. 日本にこだわる理由はあるのか?

最近の自己分析がどんなことをやらされているのか知りませんが、上記の質問に答えられる必要があるのは間違いないです。
1つずつ解説します。

1.何のために就職(就社)したいのか?
その会社に入りたいか、その会社の誰かと働いてみたいか、だとすればOKでしょう。
でも、そのビジネスに携わりたいのが理由だとすると、なぜその会社にこだわらなければいけないのでしょうか。おそらく競合他社と言われれる企業は、日本を含めて複数あると思います。特に海外の企業にチャレンジしてみましょう。

ただ、収入を得るための労働と考えていて、目的を達成する手段としての企業、仕事を選んでいるんだとしたら、他の企業を当たってみてください。新ぶら下がり社員と呼ばれたりもしているようですが、上記の企業目線での採用したい人の1つ目の特徴をアピールすれば雇ってもらえます。
企業としては一定の教育を受けた人が来てくれるのは願ったり叶ったりです。

目的をはっきりさせないと何も始まりません。

ちなみに私は、卒業後初めて勤めた会社に入りたかった理由、目的として「面白そうだから」でした。実は面接でもそう言いました。それを面接官も面白い奴だと感じたから合格したんだろうな、と今では思っています。


2.今やりたいと思っていることは本当に人生を掛けてやりたいことなのか?
学生が勘違いし易いこととして、これが混同してしまう事が挙げられます。
これを切り離して考えられる人は、低賃金でも文句を言わずに、企業が求める必要条件を満たしながら自らの能力を向上させるという本当の意味でのキャリアアップを果たすことができます。

所謂キャリアアップとして常に賃金が良かったり、聞こえ、見た目の良い職種につくようなのは本当にバカげています。人生の時間の無駄遣いなので直ぐに辞めましょう。

上記の様に、長期的にキャリアアップを狙って、プランを実行し続けることも重要です。

しかし、短い人生なので、”今”やりたいことを徹底的にやる、人生を掛けてやるのも良いと思います。
よく起業を勧められるようなケースですね。日本に限らず、成熟したマーケットが存在している場所では、起業して一攫千金できなかったとしても、投資家に取っては統計的に発生するダウンサイドリスクとしてしか見ていないですし(もちろん極論です、投資家が満足するExitをさせるのが起業家のミッションです)、それで残りの人生がおかしくなったりはしません。むしろタフになれるくらいです。

とにかく時間軸上に自分のやりたいことをプロットし計画的にチャレンジすることが重要です。

ちなみに私は、今いる会社でチャレンジできなくなるまでチャレンジしたいと思っています。それは前の会社でそれをやらなかったから、今では肉体的に死なない程度にチャレンジするようにしています。


3.日本にこだわる理由はあるのか?
特殊な事情が無い限り、日本にこだわる理由は無いと思います。

日本がいいなと思うこととと、日本にこだわることは違います。

世界一の寿司職人になりたい人が、アフリカで修行するというのは極端な例ですが、間違っていると思います。やはりそこには日本である必要があるのではないでしょうか。

しかし、製造、流通、サービス、農業や水産業、林業においてもなんら日本にこだわる理由はないと思います。(何度も言いますが特殊な事情が無い限りです)

多くの学生が日本がいいなと思っているから日本で働こうとしていると思います。まずはその「日本だったらいいな」程度の地理的な制約をとっぱらい、グローバルで仕事を探していきましょう。


ちなみに私は、花粉が飛んでいる日本よりも海外に行ってみたいなぁと思っています。




とにかく、学生に言いたいのは、「私も含めて、自分の変なこだわりを捨て、知らない世界を見に行ってみましょうよ。」ということです。
もっとチャレンジをする20代、30代が増えると、日本はもっといい国になると思うし、外国からそれを実感するというのもいいもんだと思いますよ。

0 件のコメント:

コメントを投稿