2012年11月21日水曜日

connect! 2012 に行ってみた。

タイトルの通りです。
connect! 2012については、以下ご参照。
http://everevo.com/event/2464

実は、主催者(事務局?)の剣持氏のお話しが非常に感銘を受けたのですが、あれはブログに残す類のものではなく、その場で聞いた方の心にしっかりと刻まれるべきと思いますので、割愛させて
頂きます。どうしても知りたい方は別途ご連絡を。

さて、本題の二部構成によるパネルディスカッションにおいて、感じたことを記しておきたいと思います。

パネルディスカッション1  「エグジットを前提とした起業とインキュベーション」 の様子

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前半では、VCの方が二名、VBの方が一名でのパネルディスカッションでした。
上記、写真の右側に着席しているのが、VCの方で、私が勝手に受けた印象としては、日本の方。
左側に着席しているのが、VBの方で、私が勝手に受けた印象としては、米国の方。

聞きながら考えさせられたのは、会社を起こしたいのか、ビジネスを起こしたいのか、あるサービスを提供したいのか、あるアイデアを実現したいのか、といった根本的な目的意識は、以外に根を詰めて考えて居ない人も居るんだろうなぁということ。

右側の方々は、VBが、ExitとしてM&Aを検討することに対して、抵抗感を持っている場合がある。それは会社というものに愛着が湧くというか、ここでは『自分の城』になってしまうという表現をしていて、『Emotionalな整理ができない』とも言われていた。
それに対して、左側の方は、米国のVBも自分達のビジネスに対するこだわりはあるので、そんなにドライになれるものでもない。しかし目的は達成する。といった主旨の発言をされていた。

やっぱりこういうのって、それぞれの良い所を兼ね備えたハイブリッド起業家というものの登場を期待してしまうのは、人任せ以外の何者でもありませんが、自分については今後、要検討ということで。

内外製の選択オプションが偏ってはいけないという話もありましたが、まあ、これはいつも考えている話し。
ただ、面白い表現があったので、ご紹介。経営資源の形成手段が偏ってない状態を 『しなやかな経営』 と仰っていた。経営の仕方について【しなやか】という表現を聞いたのはおそらく初めてだったと思う。使わせていただきたい。

面白かった情報としては、米国のVBの一部では、大企業が欲しいと思っているサービスを代わりに開発して、いいところまで持って行って売るケースがあるそうだ。もちろん買い手のニーズに合致するものができればそれは売れる。しかし、そのニーズをどうやって知り得ているか?これが今の日本にはない環境なのかもしれない。

その実現手段としては、企業側に居た人間が、VB側やVC側に移動して、それをある意味リークしていたり、企業の中の人間が友達関係の中でリークしているそうだ。
これを属人的ではなく、システマチックに実現しているのがIBMらしい。IBMでは自社のロードマップを、自社の戦略と合せてVCと共有しているそうだ。もちろんVC側も自らのポートフォリオを提示して、ロードマップに組み込めるかどうかの検討を行なっていると思われる。

おそらく現時点での日本の状況や、今後当面の日本では、後者のシステマチックな情報共有を行うことで、企業のニーズにあったVBインキュベーションが可能になるのではないかと思った。
知っている限りではCVCを持っている場合は当然できていると言えるだろうが、他の独立系VCが効果的に実現している例を聞いたことがない。

後、直接そういった主旨の発言だったか定かではないが、ExitのオプションとしてM&Aを採用することはサービスを大きくするためのレバレッジとなる可能性が大いにあるので、そういった考え方でVB経営をすることもありだと思った。

パネルディスカッション2  「大企業によるベンチャーを活用した事業開発の必要性」  の様子

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後半は、企業側の方三名(とは言っても、写真一番左の方は買収された結果、現在企業側にいる方)
パネラーの自己紹介が長く、何となく、「VBの皆さん、売り込みにきて欲しいのはこういうビジネスをやっている方です!」というような印象を受けなくもない紹介だったが、それもこの場の主旨として正しいと思うので、それはそれ。

こちらで興味深い発言は、『ビジネスの垂直立ち上げが必要なんだけど、時々失敗、操縦ミスなどで事故があるのでオスプレイみたい』という主旨の発言と、時間の概念の話し。(オスプレイも時間軸の話ではある)
企業はある時間の中で収益・利益に対するお約束を株主にしてしまう。なので、今目の前に居る良い感じのベンチャーに5年でも10年でも待つよとは言い難い。
また、「できて1,2年の会社に5年先を語られても、何言ってんねん!って言いたい」という発言は、言い得て妙。

あと、私が勝手に思ったこととして、企業側で意思決定できる人が登壇してくれていましたが、その想いはベンチャーにとって望ましい方向に変化している事を感じたが、その下の一般社員にはそれが共有されていない、ギャップがあることも実感した。ということは、そういう意識をもった人に出会うのは非常に難しいなぁと思った。

まとめると
  • ベンチャーは会社を運営することが目的ではなく、そのビジネス/サービス/プロダクトが社会に浸透することが目的なんだよ
  • 企業とVB/VCの間での情報共有はもっと積極的にそしてオープンに
  • 時間軸は短く
  • VBのファウンダーはどうやったら意識の高い買い手にであえるだろうか

ということ。あれ?情報共有の話しは、少し具体化したけど、こうやって書くと、わかっているのに出来ていないことって感じですね。



後、紹介された情報ソースをご紹介


米国商工会議所のレポート
大手ICT企業がベンチャー企業を活用するべき理由(富士通総研)
経産省の新規事業創出に関するレポート

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