2011年2月18日金曜日

IS03使用感レポート(3週間のまとめ)

twitterでIS03使用感レポートとしてつぶやいていた内容の再掲です。


■ 電池

まず、各所で言われている電池の持ちですが、やっぱり不満は残ります。単純に寿命が短い(電力利用量が多く、電池容量が追いついていない)ということもありますが、充電手段に難があることが問題に感じます。
つまり、確かにAndroid OSの省電力性能や、IS03の電池容量としての問題はありながら、充電に1A以上の電力を要求しており、従来ガラケーで使っていたeneloopが電力不足により使えないというのが苦労の原因。また同様の理由で従来のコンセントのUSBアダプターも使えません。。。

Android OSとしての省電力性能についてですが、輝度を下げてとか、こまめにアプリを殺してとか、無線アクセスをいちいちスイッチしてとかは、あんまり取り組んでいません。理由はそういう使い方を想定して設計してもらいたいから。
Android派(そうなの?)の私が言うのもなんですが、iPhoneユーザーがそんな事やっているなんて見たことも聞いたこともありません。

家電メーカーと連携しようとしているGoogleなんだから、ちゃんと連携して解決しなさい!というのが私の意見です。

■ UI

ユーザビリティに直接インパクトがあると考えているUIですが、なによりもフォントが見やすい。日本企業バンザイ、モリサワフォントバンザイです。
モリサワフォントって日本人(だけ?)に馴染み易いんでしょうね。

その他のUIは基本的にAndroid OSのものなんだと思います。


■ 電話としての機能

ここ、結構がっかり要素です。

まず発信では、「電話をかけるときのアクションが多すぎ。」5、6ステップ位経ないと電話掛けられないって結構悲しくなりますよ。ガラケーなんて、アドレス帳の番号さえ覚えていれば、ショートカット番号押して、発信ボタン、以上ですよ!
その後、最も頻度の高い(というか大半)かみさん向けはショートカットをデスクトップに設定したのでそこへの画面移動+1ステップなので楽にはなりましたが。

次に着信なんですが、「バイブが弱い。」ズボンのポケットでも気が付きにくい程のバイブ。図体がデカイから、バイブの振動が全体の揺れにならないのかな。
これはシャープさんなのか、バイブ機構の部品メーカーさんなのか、頑張ってもらいたい。

あと、若干音質が悪いような気がするのは私だけでしょうか。遠く感じるというか、音の大きさの割に聞き取り難いのは気のせいかな。


■ Googleの各種サービスとの親和性

これも期待しすぎたせいか、がっかりですね。

メールに関しては完璧といえるレベルなんですが、Tasksが上手く使えないというか、基本Webでの利用か、数少ないアプリが対応しているだけ。ToDo管理にTasksを使おうと思っていたのに、アナログメモから抜け出せていません。

カレンダーの純粋な機能としては、ウィジットの充実を期待する感じです。勿論秀逸なアプリも有りますが、私が期待するのは標準機能です。

あとDocsは使いたいでしょ。Webじゃなくて、OSのローカルの機能だと嬉しいんだけど、そこは未達。


でも、感動したのはNaviというかMaps。車にのっている時に見ていたら、車が曲がると同時にカーソルも曲がるほどの精度。しかもレストラン検索して、そこに行きたいというナビって結構便利。


蛇足ですが、OS2.2からの、Cloud-to-Device Messaging APIは使ってみたい!!


■ メジャークラウドサービスとの親和性

これは期待通りというより、期待以上です。
twitterやfacebookはもちろん、Dropbox、Evernoteがいい感じ。特にEvernoteなんて有料会員になろうか検討中なほど。

でも、PDFを参照する環境が整えられていないので近々やろうと思っています。



以上です。
これから2年くらいは使い続けると思うので、仲良くしていこうと思っています。

ご参考まで、twilogによるつぶやき集を。

マルチタスクをシングルタスクに

最近、仕事が多岐に渡っているように見えていて、チームメンバーに限らず関係者に、「大丈夫ですか!?」と聞かれることがあり、ある人に、私がどのように大丈夫にしているかの概念を伝えた内容を整理する意味も込めて、今回このテーマを記すことにしました。
「大丈夫ですか!?」というのは、人によって意味合いが異なり、次のような意味合いが想定されます。

  1. そんなに多岐に渡る仕事をしていて、言ってることがあっちとこっちで整合しなくなりませんか?大丈夫ですか!?
  2. 仕事量が多くて、全部やるとなると体調などは大丈夫ですか!?
  3. そんなにいろいろやっていて、私との仕事はちゃんとやってくれるんですか?大丈夫ですか!?

まず、上の意味合いに対する回答として、どれも大丈夫です。根っこが仕事嫌いであることと、どれくらいやると体がヤバいのか知っているので、2でヤバいことにはならないのと、これから整理する考え方をもっていれば、よっぽどの事が置きない限り1と3は大丈夫です。
よっぽどの事とは、そもそもミッション(←後述)が矛盾している場合と、3の質問をしてる人があまりにバカで役に立たない場合です。


さて、本論に入ります。

仕事が多岐に渡っているように見えていても、本当に多岐に渡っていることって1つの会社に”しか”所属していない場合、それが社長であっても、おそらく大半は、本質的には一体とみなせる仕事をしていると私は考えています。
その一体とみなしたときの仕事の単位をミッションと呼んで整理しています。

企業においては、存在する意義・目的やビジョンなどは本質的には1つとして考えられることが大半で、仮に複数の表現があっても、1つに収束することが多いと思います。ましてや矛盾することはあり得ない(あれば別会社とすべき)です。なので、1つの会社に”しか”所属していない場合、よっぽどのことは起きないので、大丈夫と言えてしまうのです。


そしてそのミッションに属するある期間内に行うべき事柄をタスクと呼んで整理しています。通常ToDo管理される大きさのものや、もう少し広く、期間設定も長いものも含めて同列にタスクと呼んでいます。
このタスクの管理で重要なことは期間の管理と、責任分界です。責任分界とは、誰がそのタスクに関わる何に責任を負っているのかをはっきりさせることです。終始一貫して自分が責任を負うのであれば、実行あるのみなのですが、誰かに一部をお願いすることも多いです。その時にどういう単位で依頼し、権限を委譲するかが、成果品質に大きくインパクトがあります。
この辺りのコメントはいずれ人材ネタとして書きたいと思います。

タスクと並列の概念としてプロジェクトと呼んで整理しているものがあります。これはタスク群と呼び代えてもいいのですが、仕事の性質上こう呼んでいます。あるタスクの集合であり、目的が一貫しているものをこう呼ぶのですが、実用的には独立した収支の管理が必要とされるお客さま向けの仕事や、社内でも特殊な事情があり一括りで管理されるべきものをこう呼んでいます。プロジェクトもタスクで構成しているので、タスク管理の概念の延長のものとなります。


性質の異なるものとしてイベントがあります。これは誰かとのアポイントメントや、特定の時間に行う必要のあるものを指します。比較的分かりやすい概念かと思います。


タスクもプロジェクトもイベントも、ミッションに属さないものはやらないし、他人にとって意外な仕事でもこの関係を押さえていれば、ミッションに属する一体とみなせる仕事なります。
ですので、ミッションに従って考え、行動していれば、全てにおいて一貫、整合させることができ、優先順位も明確になり、ぶれない仕事ができるということになります。


また、統合的に時間を管理しようとすると、イベントは確実に時間を取られるので、タスクの所要時間と期限の積み重ねを常に意識しすることがもっとも重要です。イベントとイベントの隙間時間にできる分解されたタスクをもっていることも時間の有効活用としては重要です。
時間管理もいずれ別ネタとして書きたいと思います。


Google CalenderやTasksが、こういう概念でToDoとスケジュールを管理できるツールにならないかな。。。


ちなみに、うちの社長は、私が行うプロジェクトに対して、ミッションとの一貫性(得られるリターン含む)、プロジェクトの優先度、期間、掛けるコストについてのみ指示、もしくは承認します。言い換えると、目的とやることの確認であり、やり方は任されます。非常に良い環境を与えてもらっています。
私もチームメンバーに対してそうありたいと心がけています。


書評:起業のファイナンス

『起業のファイナンス ベンチャーにとって一番大切なこと』
磯崎哲也 著

Blog isologueや、twitter ( @isologue )で良質なお金にまつわるつぶやきを提供していただいている磯崎哲也氏が出版された本ということで、早速手を取ったのは昨年のことです。(書評を書くまでに時間がかかりました。)
手を取ることになった経緯は、これまでのコンサルティング経験で「事業として何をやるべきか」という話はしても、実際に資金の調達を始めとするフェーズに携わってこなかったため、実務家の入門書を読んでみたいと思ったのがきっかけです。読む前から、ベンチャーに限らずファイナンスの概念は捉えられると、ある意味タカをくくってました、すいません。

読んだ感想としては期待以上の気付きや、何を知る必要があるかという枠組みを理解する事ができたということが挙げられます。
自分の仕事のやり方として、必要となる情報がどこにあるか分かっていれば、必要な時に調べる、もしくは知っている人に聞くのが常です。そういう意味では、そのためのインデックスを自分の中に作ることができたと思っています。

これから、本書を活かす時が遠からずくると思っているので、実践してみての感想はいずれ。


さて、実は中身から気付いたこととして1つ書評という枠組みから出るコメントを残したくて、書評を書くのに時間がかかっていました。
それは、この本を読んでもらいたい読者層として、おそらく想定されていないと思う次の方々に読んでもらいたいという気付きです。

事業会社(特にIT関連)のM&A担当者は読んでください!(懇願)

なぜかというと、イケかどうか分からないが可能性のありそうなベンチャーに”投資”という名目で出資し、いきなり売上責任を課し、伸びシロを殺してしまおうとしているケースを見たからです。

イケてるベンチャーの全てが即時マネタイズに成功するわけでもないし、ビジョンやポリシーがはっきりしているが故にマーケットでの認知に時間がかかったり、ニーズを掘り起こしている最中だったりと、直ぐに売上や利益を創出できる訳ではないと思います。
事業の拡大だとか、要素技術の獲得や人材の獲得を狙った買収対象としてイケてる(かも)ベンチャーが標的にされているのを見ると、こうやって日本のインターネットビジネスは遅れを取っていくんだなと思いました。

今から起業しようとしている人にも伝えたい。
事業買収のつもりの出資者よりも、キャピタルゲインをねらう出資者の方が、あなたのためになるかもしれないですよ。

でも、事業買収のつもりでの出資者の全てが悪いわけではありません。(念のため)  ←本文中に使われる表現を使わせていただきます。

P.S. 「イケてるベンチャー」が流行語大賞になるようなマーケットになると楽しいなと思います。