2012年12月6日木曜日

ダイガクとシューカツ


12月から就職選考が解禁となったということで、特に大学生(3年生)の就職活動に対するスタンスが話題になることが多い気がする。

当然、限られた時間の中で就職活動を行うので、学生の本分である(とされていた?)学業が疎かになることは否めない。

しかし、大学進学の目的が学業である人がどれだけ居るのだろうか。そして、大学側がそれをどこまで容認しているのだろうか。


10年も前になるが、私が大学生の時、特に就職活動を行なっている時、東京に出なければいけないのは本当にリスキーだった。授業があり、実験があり、レポートがあるからだ。
就職活動自体は楽しんでやっていた。自分が知ることができなかった、企業について知る機会でもあったからだ。しかし、自分にとってその時に重要なのは、授業に出て、実験をして、レポートを書いて、その時学んでいるトピックスについて、より深く理解することだった。今の自分はあの時、勉強を疎かにしなかったからあると思っているし、あれでも足りなかったとさえ思っている。


話しは一般論に戻すが、一部の(割合はわからない)大学生は、過去の私と同じような学生生活を送っていると想像しているが、一方で、大学において高等教育を受けているとは到底思えない学生がいることもわかっている。(それを否定したいのではない)

何を優先するのかは個々人次第であると思うし、大学法人/学校法人としての考えが多様であるのは良いと思う。

しかし、個人的に大学側に期待したいのは、少なくとも学部学科単位で、高等教育を行うための組織なのか、そうではなく入試という最低限のスクリーニングを行い、大卒という資格を販売するような組織なのか、その方針をはっきり示してもらいたい。できれば学校単位でそれをするべきだと思う。

理由は、大して勉強をしないで卒業した人と、しっかりと勉強して卒業した人では、基礎学力や思考力に大きな差が出るというのが、個人的な観測による見解なので、企業として採用した後、「~大学卒の奴は、こう。」という評価を、どうしても受けてしまう。これは回避しようのない事実だと思う。その評価の総和が、評判となるのだと思う。

その評判は遅れて広まるし、高校生にとっては知ることが難しい情報である。高校生にとって、人生の選択でもある志望校選択において、重要な情報が得られないというのは可哀想な話である。

大学もビジネスなので、多様な方針で、それぞれの特色を出せば良いと思う。ただ、その方針なり、考え方を示さないのは社会にとって不利益であるはずなので、そこはできる限り開示してもらうことをお願いしたい。
もちろんその方針や考え方に沿った大学運営を先生方には期待しているのは言うまでもない。


最後に、大学では、どれだけ勉強しても吸収しきれない程の知識や知恵が集まっています。それを活用しないのはもったいないです。やってもやってもやりきれないので、全力を尽くすことをお勧めいたします。