2011年6月24日金曜日

ビール消費に関する消費者の反応について、現時点の考えを整理します。
※時間の都合上、データ等の参照は行っておりません

いきなり想像、妄想からはいりますが
消費者の志向というか、価値観というか、ビール(もしくは類似品)に求めるものが違うとしてその違いを分類してみます。
自宅での消費に絞った見解です。飲食店での消費は別途(いつか。。。)

タイプA:純粋にビールが好き
 ⇒もちろんお気に入りの味があって、それを中心に飲むが、海外のものを含めて試してみて自分の志向を確認するタイプ

タイプB:炭酸とアルコールの組み合わせが好き
 ⇒サワーやハイボール含めて炭酸系アルコール飲料が好き

タイプC:晩酌が好き(自宅に帰って、「プシュ! プハーッ!」をやりたい
 ⇒とにかくビールを飲む行為に意味があるパターン

タイプD:夜の時間のお供に
 ⇒ゆっくりしたい夜に、本を読んだり、映画を観たり、音楽を聞いたりしながのお供を求めているパターン


お分かりの方もいらっしゃると思いますが、分析の軸は、味などの内面的な目的と、行為といった外形的な目的の志向により分類してみています。


さて、時系列的に消費動向をおっかけると

1.ビールだけの時代
タイプAやタイプCは、一定のビール消費。このころは景気もそれ程悪くなかったはずなので、タイプCもそれなりの頻度、本数を消費していた。
タイプBやタイプDは、ビール以外の選択肢も含めて消費。

2.第二のビール(発泡酒)登場
景気が悪くなり、先行き不透明観の中、タイプCの消費低下の対応策として発泡酒が登場。それが一定レベル刺さり、タイプCは一気に発泡酒に流れる。
タイプAは飲んではみるものの、味の問題によりビールに戻る、ただし消費量は微減(じゃないかな?)
タイプBやタイプDは、ビールや発泡酒以外の選択肢も含めて消費するも、消費量は低迷

3a.プレミアムビール登場
記憶によると、このタイミングでプレミアムビールのカテゴリが形成されるかと。
現在ここにカテゴライズされるエビスも、元々あったが、カテゴリ形成に至っていなかった。カテゴリ形成のきっかけは、アサヒの熟撰、サントリープレミアムモルツの登場じゃないかと。

しかし、熟撰は飲食店でのみの展開。プレミアムモルツもイマイチパッとしない状況が続く。

タイプAも、プロモーションがうまくいっていないせいで、多数の人が知らないままでいる状態。
タイプBやタイプCについては価格面のハードルがあり手にとってもらえない状況。
タイプDは、タイプA同様。

(ただし、一部での飲食店での反応がよいので、商品としては生き残る。これは飲食店でのプチプレミアムな料理が流行っていて、そこに刺さっていたと理解)

3b.第三のビール登場
ここまでくると個人的にはビールじゃないので問題があるのですが、一旦ビールとしましょうよ。

タイプCは、当然一気にここに流れる。価格がジュースレベルに近づき、消費量も販売側の期待値を維持できるレベル。
タイプA、タイプDは、発泡酒で懲りているので、大半が手を出さない。
タイプBは、ビールと思わずに飲むとアリという意見が若干数いるが、多数派にはなれず。

4.プレミアムビールのプロモーション成功
これはプレミアムモルツのプロモーション成功と言い換えてもいい。モンドセレクション金賞という、消費者にとっては「なんだかよくわからないけどすごいの!?」というイメージから、認知度が向上。
発泡酒や、第三のビールで懲りていた層を取り込むことに成功する。

タイプAは、プレミアムビールカテゴリと、従来型のビールカテゴリから、自分の好みにフィットするブランドを見つけ、そこに落ち着く
タイプBは、選択肢の中にプレミアムビールカテゴリ製品が一定数、定着する
タイプCは、上記3bの状態から変化なし
タイプDは、自分の時間にマッチするものとしてプレミアムビールを利用が増える。

このあたりから、微妙なポジションの発泡酒は、当初の勢いがなくなり、発泡酒の中でも品質の高いものだけが生き残る状況。
タイプBや一部のタイプCに選ばれる状況。


==========

この流れで、ビールの販売状況を分析すると

プレミアムビールカテゴリは、タイプDと一部のタイプAに選ばれる
従来型ビールカテゴリは、タイプAと一部のタイプBに選ばれる
安価なビールカテゴリはタイプDと一部のタイプBに選ばれる

それぞれのタイプがどれくらいの人口比になるのかは分析できていませんが、トレンドとしてはこういうように考えています。